F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

育児・介護休業法の改正ポイント総整理:2009改正と2021改正(産後パパ育休・分割取得) #放送大学講義録(人的資源管理第11回その5)

ーーーー講義録始めーーーー

 

その5 法的枠組みの整備②:育児・介護休業法と女性活躍推進法
════════════════════════════════════════════════════════════════

◆ 育児・介護休業法の変遷

 

育児・介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)は、法令上は平成3年法律第76号(1991年)として位置づけられ、仕事と育児・介護の両立を支える枠組みとして整備されてきました。 その後の改正により制度が拡充され、1995年の改正では介護休業制度の創設・拡充などを含め、両立支援の枠組みが強化されていきました。

さらに2009年に成立した改正法では、以下の内容が盛り込まれました。

 ● 一定の条件付きで短時間勤務制度の義務化
 ● 所定外労働の免除(残業免除)の制度化
 ● 子の看護休暇の拡充
 ● 介護のための休暇制度(介護休暇)の創設
 ● 紛争解決の援助および調停の仕組みの創設

 

◆ 2021年の育児・介護休業法改正

 

育児・介護休業法は、2021年6月に改正され、2022年4月から段階的に施行されました。 正式名称は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律」です。

改正の趣旨は、出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするためです。主な措置は以下の通りです。

 1. 男性の育児休業取得促進のための、出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設
 2. 育児休業を取得しやすい雇用環境整備、および妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
 3. 育児休業の分割取得
 4. 育児休業の取得状況の公表の義務付け
 5. 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

 【注】本講義の収録は2021年7月のため、施行後の変化については、最新情報をご確認ください。

 

◆ 女性活躍推進法の改正(2019年)

 

2019年に女性活躍推進法の一部を改正する法律が成立・公布されました。 一般事業主行動計画の策定・届出義務および自社の女性活躍に関する情報公表の義務は、常時雇用する労働者が101人以上の事業主へと拡大されました(令和4年4月1日全面施行)。

また、常時雇用する労働者が301人以上の事業主は、
 ①女性の職業生活に関する機会の提供に関する実績
 ②職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績
の各区分から1項目以上(合計2項目以上)を公表する必要があります。

さらに、国は女性の活躍推進に関する状況等が優良な事業主への認定として、えるぼし認定よりも水準の高いプラチナえるぼし認定を創設しています(令和2年6月1日施行)。 なお、えるぼし認定企業等は公共調達において加点評価等により有利な扱いがなされます。

 

◆ 育児休業取得者がいた際の職場の対応(2019年)

 

【表2】育児休業取得者がいた際の事業所の措置(2019年、複数回答)
 ┌──────────────────────────────────────────────────┬──
 │ 対応内容                     │事業所割合│
 ├──────────────────────────────────────────────
 │代替要員の補充を行わず、同部門の他の社員で対応   │ 52.3% │
 │派遣労働者やアルバイト等を代替要員として雇用    │ 37.2% │
 │事業所内の他部門または他の事業所から人員を移動   │ 25.2% │
└──────────────────────────────────────────────────┴───
(出所:厚生労働省「令和元年度 雇用均等基本調査(事業所調査)結果概要」)

 

最も多かった回答は「代替要員の補充を行わず、同部門の他の社員で対応した」の52.3%でした。余裕がない中での両立支援については、常に職場の負担・生産性の維持という課題があることが示されています。

 

図表A:本講義で扱った法改正の時系列整理(要点)

 

事項  
1991 法令上の位置づけ(平成3年法律第76号)  
1995 介護休業制度の創設・拡充等を含む改正(両立支援の枠組み強化)  
2009  短時間勤務義務化・残業免除、子の看護休暇拡充、介護休暇創設、紛争解決等  
2021→2022 出生時育児休業(産後パパ育休)等、2022年4月から段階的施行  
2019→2020/2022 女性活躍推進法改正:情報公表強化(301人以上は各区分1項目以上=計2項目以上)、101人以上へ義務拡大(全面施行は2022/4/1)